プロジェクトストーリー

さらに進化した高速横ピロー自動包装機 EP-7000

キーワードは、10年先でも通用する包装機械をつくること。

2004年4月、当時副社長を務めていた大森利夫社長のもとに、新たなプロジェクトのメンバーが招集されました。機械設計、電気設計、製造、調達、サービスの各部門から選出された10名ほどのスタッフ。そこで副社長が彼らに伝えたのは「とにかく、今までにない新しい包装機械を開発しよう」ということでした。そして、一人ひとりに「次世代に見合うものとは何か。君たちにはそれを考えてほしい」と。以来、メンバーたちは毎月1回集まり、企画開発会議を重ねていきます。
とは言え、新しい機械はコンセプト探しからのスタートとなります。当時はエコロジーの概念が浸透し始めた時期でもあり、省電力や省エネ機能を盛り込むべきという意見が出されました(実際、EP-7000のEはEcologyに由来)。しかし、独創的なアイデアは簡単には出てきませんでした。
そんなときタイミングよく、アメリカで包装機械の大規模な展示会が開催される知らせが入ります。そこでプロジェクトメンバーの中から5名が選ばれ、アメリカやヨーロッパの包装機械にはどんな機能が搭載されているのか調査を行うことになりました。欧米でも通用する日本製の機械をつくる、10年先でも通用する機械をつくる。これが、本プロジェクトチームの合言葉になりました。

不測の事態を乗り越え、これまでになかった機能を搭載。

アメリカへ渡ったメンバーたちは、海外の包装機械のデサイン性の高さを実感します。欧米の機械はデザインに関するプライオリティーが高く、ライン全体のフォルムはもちろんスイッチやパネルの表現も日本とは異なっていました。グローバルなマーケットでは言葉ではなく、ビジュアルを駆使して直感的に操作できることが求められるからです。渡米したメンバー全員がそのことを理解して帰国しました。この経験は、後のGマーク取得(2008年)として結実することになります。
さて、新たな機械の開発は模索しながら進められていました。設計・テスト・検証が繰り返し行われる中、ある試作段階で思いもよらないアクシデントが発生します。トップシーラーのカッター部の脱着を容易にするために行った、構造変更が原因でした。変更によってパーツの重量が増して慣性が大きくなり、機械自体が動いてしまうという想定外の事態に陥りました。素材を軽量のカーボンに変えて対処すると、今度はモーターに負担がかかり回転力が低下してしまう…。結局、動作パターンを最適化することで解決の糸口を見出しました。このように本当に様々なアクシデントを乗り越えながら、一歩ずつ着実に新しい機械は完成へと近づいていきました。
さらに、タッチパネルは従来1画面でしたが、このEP-7000から初めて2画面操作を採用しました。1画面で単一操作しかできませんが、2画面ならば同時に2つの操作が可能になります。これまでになかった機能を搭載することで、使い勝手も格段に向上させていきました。

EP-7000でつくり上げた技術が、大森機械の汎用基礎技術に。

プロジェクトメンバーのチームワークによって完成したEP-7000は、2007年10月に開催されたジャパンパックでデビューしました。次世代ピローを具現化した包装機械であるだけに、これまでにない機能やメリットを、来場者の方々に大いにアピールできたことは言うまでもありません。
3D画像を使ったタッチパネル(大型液晶15インチ)には従来になかったグラフィカルな表示を採用し、業界内でも大きな話題となりました。ベルト交換が容易にできるメンテナンス性の高さ。そして、サーボモーターを多軸にすることで、異なる包材への対応力を高めたことなど、様々な特徴的な機能を確実に訴求することができました。
開発当初、メンバーが渡米して展示会を見学し、グルーバルな機械を目の当たりにしたこと。その経験がベースにあったことで、デザインにこだわるという意識を抱くことができました。そのことは自然な流れとして、2008年度のGマーク(グッドデザイン賞)の受賞へと繋がっていきます。
「EP-7000のために開発した技術や機能が、その後の様々な機械に活用されていく。自分たちが苦労してつくり上げた技術が、大森機械の基礎的な技術として普及していることが何より嬉しい」。メンバーの一人が語ったこの言葉が、全くの白紙状態から始まった唯一無二の包装機械EP-7000を的確に表現しています。

プロジェクトメンバー

EP-7000

営業部
ジャパンパックでのお披露目から2年後の2010年に、老舗の食品メーカー様に1号機を無事納入することができました。実は、当初は競合だったのですが、EP-7000を実際に使っていただくことで高い評価を得ることができました。営業担当としては、さらなる拡販を目指して努力を続けます。
研究開発室
EP-7000は様々な機能はもちろん、メンテナンス性も含めたトータルな意味において最適設計がなされた包装機械であると自負しています。答えのない中で開発を始めたこともあり、大森のすべての機械を調査した上で設計を行いました。そうした地道な作業の結果、完成した機械なのです。
電気設計部
とにかく、ゼロからのスタートでしたので、やってみなければわからないことが多い仕事でした。電気設計に関しては大森機械特有の制御というものがあるので、ハードルは高かったです。機材の電気メーカーさんにイメージを伝えては、やり直す。これを何度も繰り返して、仕上げていきました。
製造部
私はグッドデザイン賞の展示会場での、EP-7000の据え付けも担当しました。応募商品のデザイン性を競うコンペなので、カバーの隙間も均一になるよう機械の水平出しにもこだわりました。この機械の製造に携われたことは、自分の中で本当にいい勉強、そしていい経験になったと思っています。

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